定住者ビザから永住権を取得するための条件や必要書類とは

在留資格『定住者』をお持ちの方が、永住権を取得するには?
永住者になるための条件や必要書類をご説明いたします。

愛知県名古屋市でビザ・永住・帰化申請サポートをしている、りりぃ行政書士事務所です。
永住の入管への申請代行も行っております。永住申請でお悩みの方はぜひご利用ください。

定住者と永住者の大きな違いは、在留期限です

定住者と永住者の違いで一番大きいのは、在留期限です。

定住者は最高でも5年の在留期間であり、更新申請が必要です。永住者になると、在留期間が無期限となり、ずっと日本に住むことができます。

永住者になると、更新時の何年かごとの入管への申請・審査がなくなります。永住者は、在留カードの更新のみとなります。こちらは原則、即日に新しいカードが交付されます。

就労の制限からみる定住者・永住者

定住者も永住者も、就労の制限はないので、その面では違いはないでしょう。
法律の範囲内であれば、時間を気にすることなく就労できます。転職も自由です。就労資格では働けない職種でも働けます。自分で起業もできます。

ただ、雇用側からすると『永住者』というのは、より安心感があるでしょう。

信用度の違い

定住者と永住者の社会的な信用度の違いはあります。
永住者だとローンが組みやすくなったりするなど、社会的な信用の違いがあります。

永住者申請の許可率は50~60%

近年の永住申請の許可率は50~60%になります。半数近くは不許可になっている、ということです。

そもそも永住の申請に必要な期間を満たしていなかったりなどもありますが、いくつかの条件をクリアしなければなりません。詳細な知識をもつ専門家に頼ることをおすすめします。

定住者→永住者への7つの条件

定住者から永住者になる条件は、以下の①~⑦の7つとなります。

素行が善良であること

法律を守り、日常生活でも住民として社会的に非難されることのない生活をしていること

独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

具体的には、以下のようなことです。
・生活保護を受給していない
・将来にわたって自活し、安定的な収入が続くことが可能である
・本人に収入がなくても、世帯単位で収入、預貯金、不動産等の資産がある

※現在、預貯金がないからといって突然口座に大きな金額を入れることはやめた方が良いです。むしろ疑われることでしょう。
それよりも、安定継続して収入が入ることの方が大切になってきます。

1人で申請するならば、おおよその年収が300万円以上あることが望ましいでしょう。扶養する家族がいる場合、人数に合わせて収入も必要となってきます。生活していくことができるかどうかを審査されます。扶養家族一人につき70万円程度と考えておくと良いです。

➂日本に継続して在留した期間を満たしている

次の【a】~【f】の1つでも該当する方は、永住申請に必要な在留期間を満たしています。

【a】引き続き10年以上日本に在留している

継続して10年以上日本に在留している方で、就労資格(「技能実習」、「特定技能1号」の期間は除く)または居住資格をもって引き続き5年以上在留している方は、該当します。

「定住者」は居住資格です。
「留学」や「短期滞在」などは、就労資格・居住資格ではありませんのでご注意ください。

【b】「定住者」の在留資格で5年以上継続して日本に在留している

『定住者』になってから、5年以上続けて日本に在留している方は、永住申請に必要な継続在留期間を満たしています。

【c】日本人、永住者・特別永住者の配偶者や実子等の場合

現在、日本人と結婚していたりなど、次の状況に該当する方は、永住申請に必要な在留期間が短くなります。

  • 日本人の配偶者や実子・特別養子
  • 永住者・特別永住者の配偶者
  • 永住者・特別永住者の子(日本で生まれ、その後引き続き日本に在留)

上記に当てはまる方で、

  • 実体を伴った婚姻生活が3年以上継続+引き続き1年以上日本に在留している
  • その実子等の場合は1年以上日本に継続して在留している

方は、永住申請に必要な期間を満たしています。

【d】難民の認定を受けた者の場合

難民の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して日本に在留している方は、永住申請に必要な期間を満たしています。

【e】高度専門職ポイント計算で、70点以上・80点以上ある場合

定住者の方でも、次の基準による高度専門職のポイント計算で①70点以上・②80点以上ある場合は、永住申請に必要な期間が短くなります。

①70点以上

  • 3年以上継続して日本に在留している
  • 永住申請日から3年前の時点を基準として、高度専門職ポイント計算を行った場合に70点以上ある

①80点以上

  • 1年以上継続して日本に在留している
  • 永住申請日から1年前の時点を基準として、高度専門職ポイント計算を行った場合に80点以上ある

【ポイント計算表】


出入国在留管理庁のHP(ポイント計算)
日本語 930001657.pdf (moj.go.jp)
English 001398882.pdf (moj.go.jp)

【f】特別高度人材省令に規定する基準に該当する

高度専門職には、2023年の4月から、特別高度人材という制度が始まりました。この基準に該当する方も、永住申請に必要な期間が短くなります。

  • 1年以上継続して日本に在留している
  • 永住許可申請日から1年前の時点を基準として、特別高度人材省令に規定する基準に該当する

特別高度人材に該当する方は次のとおりです。

【特別高度人材に該当する方】

『高度専門職1号』の基準にすべて適合すること、また、以下のいずれかにも該当する方

罰金刑や懲役刑などを受けていないこと

懲役、禁錮、罰金で処分されたり、少年法による保護処分が継続中でない者

そのようなことがあった方や、執行猶予期間が経過した方は、刑の消滅規定などにより申請できる場合もあります。

公的義務を適正に履行していること

納税、年金・健康保険の保険料の納付、入管法の届出等の義務をしているかをチェックされます。

納税

税金を納める必要がある場合に、きちんと納めていることです。
住民税を納めるべき人は払っている必要があります。会社の給料から引かれている人は良いですが、自分で納付するようにしている方は、確認が必要です。

ねんきん・健康保険の保険料の納付

会社の給料から引かれている方は心配ありません。そうでない方は国民ねんきん(20歳~60歳)や国民健康保険に加入義務があります。これもきちんと支払っているかをみられます。
また、国民年金や国民健康保険を支払っている方は、証明として、納付書や領収証書を残しておくことが大切です。

また、事業主の場合は社会保険の適用事業所の場合、本人自身に加え、事業所における年金、保険料の納付をしているかが大切になってきます。

入管法の届出の義務を行っているか

具体的には次の場合に、それぞれ14日以内に届出する義務があります。

  • 引っ越しなどで住所が変わったとき→市区町村役場へ届出
  • 氏名、生年月日、性別、国籍が変わったとき→入管へ届出

現に有している在留資格が「3年」「5年」であること

見落としがちなのが、現在もっている在留期間です。現在持っている在留カードに記載の在留期間が、『3年』『5年』の方は永住申請ができます。他の条件がそろっていても、在留期間が『1年』の方はまだ申請できません。更新申請をしたときに、3年の許可が出てからになります。

公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと

感染症にかかっていないことや、慢性的な薬物中毒者でないことなどです。

永住者の申請には身元保証人が必要です

永住申請には必ず身元保証人が必要です。永住者の申請に必要な書類として、『身元保証書』があります。
これを1通、身元保証人に書いてもらうことになります。また、身元保証人の身分証明書として、運転免許証のコピーなども提出する必要があります。

永住者申請の身元保証人になることができるのは、次の3つのどれかに当てはまる人だけです。
①日本に住んでいる日本人
②永住者
➂特別永住者

このうちの誰かにお願いすると良いでしょう。日本人の配偶者や永住者の配偶者がいる方は、通常その配偶者が身元保証人になります。
そうでない方は、友達や知り合い、会社の人などにお願いする必要があります。

身元保証人について誤解が多いのは、『連帯保証人』とは違うということです。

入管法での身元保証人の責任の範囲

保証事項

滞在費や帰国費などの経済的保証
法令の遵守などの生活指導

  • 法務大臣に対して保証事項を約束
  • 身元保証人に対する法的な強制力はない
  • 保証事項を履行しない場合でも指導を受けるにとどまる

身元保証人として十分な責任が果たせない場合

それ以降の入国・在留申請において身元保証人としての適格性を欠く

まとめると

法的な責任というより、道義的な責任を課すものであるといえる

身元保証人を断られる理由として、保証責任について誤解があることが多いです。これをしっかり説明し、理解をしてもらう必要があります。

理由書が必要

永住者の申請には理由書が必要です

定住者から永住申請する場合、必要書類で理由書があります。

これは、永住許可を必要とする理由について、自由な形式で作成するものです。日本語以外で作成する場合は、翻訳文が必要となります。

自由な形式といっても、あまりに短すぎたり、長すぎて読みずらいものより、簡潔にまとめたものが良いでしょう。
A4用紙1~2枚くらいでまとめるのが良いです。また、横書きが読みやすい印象です。

※日本人の配偶者等や、永住者の配偶者等に該当する方は、理由書は必要ありません。

定住者から永住者へ、入管申請するときに必要な書類

永住申請に必要な書類は次のとおりです。

  • 永住許可申請書
  • 写真(たて4cmxよこ3cm) ※16歳未満は不要 
  • 理由書(様式自由)
    ※日本語以外の場合、翻訳文必要
  • 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票
    (※マイナンバー省略・他は省略なし)
  • 身分関係を証明できる(a)~(e)のいずれかの資料
    (a)戸籍謄本(全部事項証明書)
    (b)出生証明書
    (c)婚姻証明書
    (d)認知届の記載事項証明書
    (e)上記(a)~(d)に準ずるもの
  • 申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明できる(a)~(c)のいずれかの資料
    (a)会社等に勤務している場合
     在職証明書
    (b)自営業等である場合
     確定申告書控えの写し
     営業許可書の写し(ある場合)
    (c)その他の場合
     職業に係る説明書(書式自由)
     その立証資料
    ※申請人・配偶者のお二方とも無職の場合も、その旨を説明書(書式自由)に記載して提出

【直近(過去5年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び納税状況を証明する資料

  • 直近5年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
    (1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
    ※5年分ない場合は、発行できる最長期間
  • 直近5年間において、住民税が給与から天引きされていない期間がある方
    直近5年間において住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証書等)
  • 源泉所得税及び復興特別所得税、申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税、相続税、贈与税に係る納税証明書(その3)
    ※対象期間の指定は不要
  • 預貯金通帳の写し
    (取引履歴が分かるweb通帳の画面のコピーも可※Excelファイルなど加工できるものはNG)
  • 他に所得を証明できるもの
    (預貯金通帳のコピーが提出できない場合)

【申請人及び申請人を扶養する方の①ねんきん及び②健康保険の保険料の納付状況を証明する資料
※基礎年金番号や保険者番号及び被保険者等記号・番号を黒塗りするなど、復元できない状態にして提出 

  • ①直近2年間の年金の保険料の納付状況を証明する資料
  • 直近2年間で厚生年金などに加入している方
    (a)(b)どちらか
    (a)ねんきん定期便(全期間の年金記録情報が表示されているもの)
    (b)ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
  • 直近2年間で厚生年金+国民年金加入の方
    (a)(b)どちらか+(c)
    (a)ねんきん定期便(全期間の年金記録情報が表示されているもの)
    (b)ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面
    (c)国民年金保険料領収証書のコピー
  • 直近2年間すべて国民年金加入の方
    国民年金保険料領収証書のコピー
    提出することが困難な場合は、理由書+ねんきん定期便又はねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面を提出
  • ②直近2年間の健康保険料の納付状況を証明する資料
  • 現在、国民健康保険以外の健康保険に加入
    健康保険被保険者証のコピー
  • 現在国民健康保険に加入中の方
    国民健康保険被保険者証のコピー
  • 直近2年間で国民健康保険に加入していた期間がある方
    国民健康保険料(税)納付証明書
    国民健康保険料(税)領収証書のコピー(提出が困難な方は、理由書を提出)
  • 申請される方が申請時に社会保険適用事業所の事業主である場合
    (a)または(b)を提出
    (a)健康保険・厚生年金保険料領収証書のコピー(※直近2年間のうち事業主である期間)
    (b)社会保険料納入証明書又は社会保険料納入確認(申請)書(いずれも未納の有無を証明・確認する場合)

  • 申請人又は申請人を扶養する方のの資産を証明する次のいずれかの資料
    (a)預貯金通帳の写し(取引履歴が分かるweb通帳の画面のコピーも可※Excelファイルなど加工できるものはNG)
    (b)不動産の登記事項証明書
    (c)上記(a)(b)に準ずるもの
  • パスポート又は在留資格証明書(提示)
  • 在留カード(提示)
  • 身元保証書
  • 身元保証人の身分を証明できる書類
    (運転免許証コピーなど)
  • 了解書
  • 日本への貢献に係る資料(※ある場合のみ)
    表彰状、感謝状、叙勲書等のコピー
    所属会社、大学、団体等の代表者等が作成した推薦状
    各分野において貢献があることに関する資料

自分が永住申請をできる条件に該当するかわからない方、申請のやり方や書類作成がわからない方などに代わって、当事務所では、書類作成や入管へ申請代行をしています。

まずは無料相談からご利用ください。

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出典:出入国在留管理庁HP 出入国在留管理庁ホームページ (moj.go.jp)